Last Updated: 2023-03-09

データサイエンス・コースの開発

コースの提案

レベル:リテラシーレベルを二段階に設定して設計

内容:基本的に下の二つとし、それを融合させた形で行う。

  1. AI(人工知能)との付き合い方を学ぶ
  2. 世界や、ひとびとの課題について、データサイエンスで学ぶ

形式:グループワーク

  1. 少人数で、調べることと共に、問いを精査する場面で協力を促す
  2. グループの一員として、AI を活用する

対象:分野横断型の受講生の構成が望ましい

データサイエンス・コースの開発
レベル1

第一レベル

  1. AI に触れる:Duolingo、ChatGPT など
  2. WDI: 日本に関するデータ - ダッシュボード
  3. WDI: 指標を選択して、課題と向き合う
    • 自分達の興味のあるデータを問題意識をもって調べる
    • バイアスに注意しながら、データに基づいた批判的思考ができるようにする
    • 他者と協力、分担して、調べ、ディスカッション - 協働
  4. AI のしくみの基本を(ビデオや外部講師などから)学ぶ
  5. AI との付き合い方についての、ディスカッション
  6. トピックを決めてグループ発表

学生のレベルによっては、第二レベルから始めても良い

AI を使ってみる:語学学習アプリ Duolingo

携帯電話など(App Store、Google Play で取得)で利用することが一般的だが、PCでも利用可能。

世界で、4億人以上が使った経験を持っているといわれ、300万人以上が、1年間以上継続していると報じられている。読み・書き・聞き・話すの四技能。

  • Duolingo を使ってみる。二週間ほど。
    • 継続するために、どのような方法が考えられているか。
    • なぜ、Follow や、Followed by のような仲間を作ることを奨励しているのか。
    • 仲間とのやりとりはどのように制限されているか。
    • 課金のためには、どのような方法が取られているか。
    • 採点には、どのような手法が取られているか。
    • AI が使われているのは、どのような部分だと思われるか。
    • 気に入った点、気に入らない点、すばらしいと思えること、改善が必要だと思うこと。

Mission: We’re here to develop the best education in the world and make it universally available. 

AI を使ってみる:Chat GPT

  • どのようなことに、AI は使われていくだろうか。
    • 有効と思われるものを挙げてみよう。
    • 問題、課題がある使われ方を挙げてみよう。
    • 不安を感じることはどのようなことだろうか。
  • どのように、付き合って行ったら良いだろうか。
  • 目的は、さまざまな情報に対して、批判的思考を訓練しながら、より適切に、学ぶスキルを向上させること。
  • ちょっと変わった新来者にどう対応するかを考え、経験する
    • 私が心がけていること:
      • 基本的には Welcome!
      • 加えて「あなたのことを教えてください」

安全な AI を創るための三つの基本原則

3 principles for creating safer AI | Stuart Russell

  1. The robot’s only objective is to maximize the realization of human values.
    • ロボット(AI:人工知能)が目指す(べき)ものは、ひとにとってたいせつなことを実現することである。
  2. The robot is initially uncertain about what those values are
    • ロボット(AI)は、最初は、ひとにとってたいせつなことが何であるかはわかっていない。
  3. Human behaviour provides information about human values
    • ロボット(AI)は、ひとがどのように行動し・思考し・感じるかを観察して、ひとにとってたいせつなことが何であるかを学習していく。
  • ここで言っている、Human ひととは、誰のことでしょうか。
  • これは、ロボットや、AI だけの使命でしょうか。

日本から世界を見る

以下では、世界銀行の、世界開発指標を利用する。

他にも、活用できるサイトがいくつかある。

  • 国際連合 UNdata
  • 経済協力開発機構 OECD data
  • 世界格差データベース(World Inequality Database)WID
  • 欧州連合の統計局 Eurostat
  • データで見る私たちの世界 Our World in Data

なども、同様の、ダッシュボードを備えており、データの提供もしている。

日本では、

持続的開発目標(SDGs) データ

World Bank: WDI - World Development Indicaters

  • 世界銀行(World Bank): https://www.worldbank.org
  • 世界銀行について(Who we are):
    • 極度の貧困状態の削減(To end extreme poverty): 2030年までに、極度の貧困状態にある世界人口の割合を3%に削減する。By reducing the share of the global population that lives in extreme poverty to 3 percent by 2030.
    • 繁栄を共に享受(To promote shared prosperity): すべての国の最貧困層の40%の人々の所得を増加させることによって共栄を促進。By increasing the incomes of the poorest 40 percent of people in every country.
  • 世界銀行オープンデータ(World Bank Open Data): https://data.worldbank.org
    • Data Bank, World Development Indicators, etc.

日本について:https://data.worldbank.org/country/japan?view=chart

世界開発指標(WDI)

  • World Development Indicators (WDI) : 世界銀行が開発に関する各国間比較可能なデータの集大成である1400の時系列指標(the World Bank’s premier compilation of cross-country comparable data on development; 1400 time series indicators)
    • テーマ別(Themes): 貧困と格差、人間、環境、経済、国家と市場、グローバルリンク集(Poverty and Inequality, People, Environment, Economy, States and Markets, Global Links)
    • オープンデータとデータバンク(Open Data & DataBank): Explore data, Query database
    • Bulk Download: Excel, CSV
    • API Documentation

GDP (現在の米ドル): リンク

一人当たりのGDP(定数2015米ドル):リンク

実質GDP(2015年を基準にしたもの)を、総人口で割った値。

2020年の政府の負債(GDP の百分率):リンク

CO2 排出量 (1 人あたりのメートル トン) :リンク

2021年の軍事費 (GDP の %) : リンク

2021年の軍事費 (現在の米ドル) : リンク

2021年、国会で女性が占める議席の割合 (%):リンク

世界のさまざまな課題

https://datatopics.worldbank.org/world-development-indicators/

  1. 貧困と不平等(Poverty and Inequality):貧困、繁栄、消費、所得分配
  2. 人々(People):人口動態、教育、労働、健康、ジェンダー
  3. 環境(Environment):農業、気候変動、エネルギー、生物多様性、水、衛生
  4. 経済(Economy):成長、経済構造、所得と貯蓄、貿易、労働生産性
  5. 国家と市場(States and Markets):ビジネス、株式市場、軍事、通信、輸送、テクノロジー
  6. グローバルリンク(Global Links):債務、貿易、援助への依存、難民、観光、移住

データサイエンス・コースの開発
レベル2

第二レベル

  1. AI と データサイエンスについてのディスカッション
  2. PositCloud 入門、スクリプトの利用
  3. R Notebook 入門
  4. WDI パッケージの利用
  5. テンプレートの利用
  6. tidyverse の基本の学び
  7. 可視化の学び
  8. WDI 以外のデータの取得
  9. プロジェクト
  10. 発表

コンピュータ言語 R を推奨する理由:無償、インタラクティブ、プログラミングの経験がなくても使える、発展性に富み、十分な利用者がおり、教材が多い

Posit Cloud による実習